はじめに

伊那西地区に移住された方から、移住のきっかけや伊那西地区に決めた理由などを聞かせていただきました。

今回インタビューを引き受けて下さったのは、伊那西地区に移住をされた高木さん(仮名)ご家族。伊那西地区を考える会との出会いや、移住に向けて起こしてきたアクションをお話いただきました。

※前編はこちら

後編では、実際に移住することになってから移住した後までの話をお伺いしたいと思います。

(インタビュアー:山崎いずみ)

———9月に物件を仮契約してから伊那に移住するまでは時間があったのでしょうか?

高木さん)9月の仮契約後は、11月にはもう購入しました。不動産の手続きなどもあるので仮契約後からは月に1~2回は来ていました。父が行ってくれる場合もあれば家族全員で行く場合も。当時子どもを通わせていた保育園で卒園させたかったので、伊那へは入学式に間に合うようにという感じです。

家のリフォームも必要だったので、業者と打ち合わせなどもありました。

高木さん母)卒園までは移住前の場所での生活が主に、でも伊那にも契約ごとで顔を出したりあっちこっち回ったり。モデルハウスや体験住宅とか。

———家を購入したのに、モデルハウスや体験住宅を使うのですか?

高木さん)すぐには購入した家に住めないですから。体験住宅は、移住を体験したい人向けに1か月くらい(※最長30日)利用できるんです。モデルハウスと体験住宅があって、モデルハウスは数日間利用できたと思います(※原則3泊4日まで)。

高木さん母)体験住宅に泊まれたのは良かった。伊那ってこういう景色なんだって、「ここに来るんだなあ」ってしみじみするんです。いきなり家を買っちゃったんで、この期間にこうやって足を運んで仮住まいすることで実感がわいてきましたよね。普通と順番が違うんですけど、笑

———実際に移住してからは、移住する前に想像していた生活でしたか?良い意味でも悪い意味でも違った部分もありましたか?

高木さん)この子が引っ込み思案な子だったので、新しい環境でいけるかという不安はありましたね。学校だけでなく地域も家も新しい環境になったので。でも実際は私たちの心配をよそにとても馴染んでくれて、嬉しい誤算でしたね。

もし、学校に馴染めなかった場合は、高遠にある「フリーキッズ・ヴィレッジ」に親子で関わることも検討していたので、伊那西学校に馴染んでくれたのはありがたかったですね。

登校班も当時は3人で。高学年のお姉さんがお世話をしてくれて、もうひとりの子も一緒に3人で仲良く登下校をしていました。当時、途中まで迎えに行っていたのですが、姿が見えてから帰ってくるまでがものすごく、長いんです。いつまで経ってもわちゃわちゃと遊んでいて。縦割りが学校のひとつの特色でもあるので、上級生が下級生の面倒をみるのもとても自然でありがたかったですね。

▲下校の様子

———生活面などはどんな感じでしょうか?

高木さん)雪が、大変でしたね。大通りは除雪してもらえるんですが、玄関から道路までとか、あまりにも雪が降ると職場から「来なくていいですよ」と言ってもらえることもあります。それでも父が雪国生まれなので、配線とか、水道管が凍るとかは、父に言われてはじめて「気をつけなきゃいけないんだ」と知りました。父もここが気に入って馴染んでくれているのが嬉しいですね。地域の草刈りとか、役員会議とか、地域の方とコミュニケーションをとってくれています。

高木さん父)まだ知らない方もいますが、やっぱり子どもと一緒に移住してきたというのは、地域の方がみんなこちらを知ってくれていますから。地域の方から声をかけてくれることも多いです。子どものことがよく話題としてあがりますね。

▲伊那西地区の冬の景色

———地域に馴染んで生活されているのがお話からとても伝わってきます。色々聞かせていただきありがとうございます。

最後に、高木さんご家族の決断の速さや行動の裏には色々な準備や考え方があったと思うのですが、高木さんご自身の移住体験を振り返って感じる「移住のコツ」って何だと思いますか?

高木さん)色々な地域情報は事前に調べていました。伊那市だったら移住ラジオとかも聞いていたんですよ、移住前に仕事の行き帰りの車の中で。伊那に住んでいる人、移住してきた人がゲストとして毎回出てくれていて。色々な話をしてくれるので、それを聞きながら移住の妄想をしていましたね。

高木さん母)あとコツって言うと、移住したい人自身が何を一番にしているのか、テーマっていうんですかね。うちの場合は一番重きを置いていたのがこの子の小学校でした。

田舎の生活とかは、もう想像しかできないので来てみないとわからない。けど「小学校だけはここにしたい!」というのが先に決まったのは大きかったですね。

伊那西地区を考える会の唐木さんは、そういう私たちの想いを汲み取ってくれていたんだと思うんですよね。私たちが「小学校が」「小学校が」って言っていたので。

自然の中で教育をしたいと考える親御さんが多いと思うんですが、自然だけでは教育できないんです。都会の塾のようにお任せすれば誰かがしてくれるような環境とは違う場所だから、家族みんなで楽しむ・たのしもうっていう覚悟は必要かもしれませんね。「自分たちがこの自然環境の中で子育てをするんだ」という肝が必要だとも思います。

あとはもう、やってみないと分からないので。行ってみてどうしようもなかったら、その時考える。

高木さん)「自然の中で子育てがしたい」「この学校に子どもをいれたい」という強い思いが、自分たちのあの時の行動として表れたんだと感じています。移住してからは、都会の小学校ではできない体験を重視した教育に日々感動しています。私たちは市から伊那西地区を考える会の唐木さんに繋がったことで本当に色々な情報が出てきてそこから広がりました。移住に興味がある人がいたら、ぜひ、小さなアクションから、起こしてみてください。

▲ご自身の体験を丁寧にお話くださった高木さん

———おわりに

今回、ご自身の移住体験を丁寧に話してくださった高木さんご家族。伊那西小学校や地域の魅力だけではなく、ご自身が移住にむけてどう決断してきたのかのお話もとても興味深く聞かせていただきました。

高木さん、ありがとうございました。

▼伊那西地区を考える会への相談・問い合わせは下記より

・メール(mirai.1724.kangaeru@gmail.com

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