内の萱

自然と対峙する
ダイナミックな暮らし。

伊那西地区の南西の端、中央アルプスを源流とする小黒川の渓谷に沿った細長いエリア。 初めて訪れた人は「こんな山奥に人がいるの?」と感じるかもしれませんが、その野生的な趣こそが内の萱。生き方にこだわりのある人やクリエイターたちが、自然と共存しながら「ここでしかできないこと」を営んでいます。

内の萱の イイ ところ

1.ありのままの自然
2.喧騒がない
3.自給自足も夢じゃない

喧騒から離れた深山で人も動物も対等に生きている。

伊那⻄の中では最も山深く、中央アルプスを源流とする小黒川に沿った小さな集落です。
地元では「⻄駒」と呼ばれ親しまれている木曽駒ヶ岳の登山口もあり、「行者そば梅庵」や小黒川キャンプ場を目指して県外から訪れる旅行客もいますが、内の萱で実際に生活しているのは現在10戸未満。

ここは、人のために整備された人里ではなく、野生に近い環境の中に身をおいて、自分の力で、自分らしい生き方を築いていける土地です。
集落は伊那西部広域農道から県道202号伊那駒ヶ岳線を西に進んだ先にあります。小黒川スマートインターから車で約10分、市街地からは車で約15分でアクセスできます。

内の萱での 暮らし

自然に向き合う覚悟と
生活スキルが必要。

飼い慣らされていない本当の自然に囲まれた内の萱。シカやサルの群れに合うのは日常茶飯事、キツネやイノシシ、ニホンカモシカなどにも出会います。沢の水音、風の音、木々のざわめき、野生動物の気配、木漏れ日や星の美しさ。生活する住人が少ないからこそ、自然や生き物たちの生命力を強く感じられます。

内の萱に暮らしているのは「ここでしかできないことを実現する」という芯がある人ばかり。生まれ育った内の萱を守っている人、陶芸家、蕎麦職人などがそれぞれの生き方を貫いています。住民同士は自立しており、仲が良く、互いに強い共感と尊敬を持って暮らしています。生活インフラはありますが、風呂や調理で薪の利用を追求すればエネルギーの自給自足も夢ではありません。自分の力を発揮してこだわりの生き方を築いていくことができます。

しかし正直なところ、誰でも移住できる土地ではありません。土地や家に限りがあり移住者の受け入れが難しいこと、厳しい自然環境、限界集落ゆえの不便さもあります。夏は涼しく心地よい風は吹きますが、冬は極寒なので暖房費がかさみ、凍結した道を運転しなくてはなりません。また、小黒川沿いなので台風や大雨の時には避難することもあり、土砂災害にも備える必要があります。

内の萱に興味がある人は、まずは小黒川渓谷キャンプ場や陶芸工房「ハルヒポタリースタジオ」などで体験してみてはいかがでしょうか。

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内の萱の み どころ

内の萱わらび園

30年以上前に山に自生していたわらびを畑に移植し、今では約3000坪までに。「くろわらび」「しろわらび」と名付け、地元の産直所等で販売しています。

ハルヒポタリーやまのスタジオ

小黒川キャンプ場に向かう県道202号伊那駒ヶ岳線沿いにある工房。小黒川渓谷の澄んだ空気の中で石や葉っぱや草花を使った陶芸を体験いただけます。

ハルヒポタリーやまのスタジオ ホームページ

行者そば梅庵

奈良時代に駒ケ岳で修行する行者の「おもてなしのお礼」として伝わった蕎麦の実。大根おろしの汁と焼味噌を加えた辛つゆで頂くのが、地元で古くから伝わる食べ方。蕎麦の実を殻ごと引くため、味と色が濃く、豊かな風味がダイレクトに感じられる。

行者そば梅庵 ホームページ

いちご園 室岡

夏秋いちごの生産ハウス。厳しい気象環境の中でも、地域の方に助けて頂きながら、いちごを生産しています。

小黒川渓谷キャンプ場

アウトドア初心者にも安心な施設が充実。昼間は小黒川での川遊び、夜は満天の星空が心をいやしてくれます。

小黒川渓谷キャンプ場 ホームページ

西駒んボッカ

中央アルプス木曽駒ヶ岳登山ルートの入り口。西駒山荘に薪を背負って届けるヒルクライムレース「西駒んボッカ」の通過点。

西駒んボッカ ホームページ

INTERVIEW

内の萱に暮らす人

こいけ ちえさん

こいけ ちえさん

伊那市出身で、カナダに移住していた時に陶芸と出会い、愛知県瀬戸での修行を経て、2003年に伊那市に戻ってきました。伊那市街地の西町にギャラリー兼工房の「ハルヒポタリースタジオ(まちのスタジオ)」を開いて、作品づくりや陶芸教室、ワークショップなどの活動を長年続けてきましたが、内の萱の中古物件に惚れ込み、購入してセルフリノベーションを行い「ハルヒポタリースタジオ(やまのスタジオ)」をオープンさせました。

3年間かけて作っていた薪窯(薪を燃やしてやきものを焼成する)も2023年に完成しました。

内の萱に暮らす人

室岡 良昭さん

室岡良昭さん

「自然豊かな暮らし」というよりも「自然の中で生きる」という表現の方が近い内の萱では、自分で自分の身を守る力が必要です。野生動物が多いので、不意に出くわすこともありますし、畑の獣害が多いため限られた種類の野菜しか収穫できません。また、生活に必要なものは自分の手で作るのが当たり前です。ある程度、自然に対峙してきた経験やスキルがある人でないと、内の萱の自然環境で暮らしていくのは難しいかもしれません。

都会と比べると厳しさも不便さもありますが、私にとって内の萱はとても心地よい場所です。